高校入試理科対策問題一覧です。高校入試において、理科は得点差がつきやすい科目のひとつです。物理、化学、生物、地学の4分野それぞれに特徴があり、効率よくポイントを押さえた学習が求められます。しかし、幅広い内容に圧倒されて、何から手をつければいいのかわからない…という受験生も多いのではないでしょうか?
本記事では、入試頻出の重要ポイントをカバーする厳選問題を分野ごとに一覧でご紹介します。問題演習を通じて知識を定着させ、苦手を克服し、自信を持って試験本番に臨みましょう!最後の追い込みにぜひお役立てください。
高校入試で理科を得点源に!厳選対策問題でラストスパート
【問1】ガスバーナーの使い方について、次の各問いに答えよ。
(1)図のねじAとねじBの名称を、それぞれ答えよ。
(2)点火するとき、最初に開くねじはA、Bのどちらか。また、XとYのどちらに回すか。
(3)次の文は、ガスバーナーの操作手順を示したものである。ガスバーナーに火をつける手順として正しくなるように、ア~オを並び替えなさい。
ア ねじBを開きガスに火をつける。
イ 元栓とコックを開く。
ウ ねじBを押さえ、ねじAを回して炎を青色に調節する。
エ ねじAとねじBが閉まっているか確認する。
オ マッチに火をつけガスバーナーの口付近に近づける。
(4)ガスバーナーの炎の色が透明で、ゴーッと音がしていた。適正な炎にするためにはどのねじをどのように操作すればよいか。
(5)次の文は、ガスバーナーの火を消すときの手順についてまとめたものである。文中の( )から、正しいものを選び、記号で答えよ。
【問2】アジサイの葉を下図のようにして、蒸散の量を調べる実験を行った。表は、このときの水の減少量をまとめたものであるこれについて、次の各問いに答えよ。
試験管 | A | B | C | D |
水の減少量[cm³] | X | 7 | 13 | 2 |
(1)この実験で、メスシリンダーの水に油を入れる理由を答えよ。
(2)この実験で、葉にワセリンをぬる理由を答えよ。
(3)この実験で、蒸散はおもに葉で行われるということを調べるには、A~Dのどれとどれを比べるとよいか。
(4)この実験で、蒸散は葉の表より裏で盛んであるということは、A~Dのどれとどれを比べるとよいか。
(5)表のXの水の減少量を求めよ。
【問3】次のグラフは、色々な物質が100gの水に溶ける限度の量と温度の関係を表したものである。これについて、次の各問いに答えよ。
(1)100gの水に溶ける物質の限度の量を何というか。
(2)物質を(1)まで溶かした水溶液を何というか。
(3)硝酸カリウムをより多く溶かすためには、水の量を増やす以外にどのような方法があるか。
(4)40℃の水100gに最も多く解ける物質は、グラフに登場する物質のうちどれか。
(5)60℃の水100gにミョウバンを溶けるだけとかした。このときのミョウバン水溶液の質量パーセント濃度は約何%か。小数第一位まで求めよ。ただし、ミョウバンは60℃の水100gに最大で60g溶けるものとする。
(6)(5)の水溶液を20℃まで冷やしたとき、出てくる結晶の量は何gか。ただし、ミョウバンは20℃の水100gに最大で12g溶けるものとする。
(7)(6)のように、一度水に溶かした物質を再び結晶としてとり出すことを何というか。
(8)食塩は(7)で結晶をとり出すことに向いていない。その理由を簡潔に答えよ。また、食塩水から結晶をとり出すには、どのようにすればよいか。
【問4】下図のように、薬包紙にのせたいろいろな質量の石灰石とうすい塩酸10cm³を入れたビーカーを電子てんびんにのせ、反応前の質量を測定した。次に、薬包紙にのせた石灰石をビーカーに入れ、気体の発生が見られなくなってから反応後の質量を測定した。下の表は、このときの結果をまとめたものである。これについて、次の各問いに答えよ。
ビーカー | A | B | C | D | E | F | G |
石灰石の質量〔g〕 | 0.4 | 0.8 | 1.2 | 1.6 | 2.0 | 2.4 | 2.8 |
反応前の質量〔g〕 | 55.4 | 55.8 | 56.2 | 56.6 | 57.0 | 57.4 | 57.8 |
反応後の質量〔g〕 | 55.2 | 55.4 | 55.6 | 55.8 | 56.0 | 56.4 | 56.8 |
(1)この実験で発生した気体は何か。
(2)うすい塩酸10cm³が過不足なく反応する石灰石の質量は何gか。
(3)反応後のビーカーGには、石灰石の一部が溶けずに残っていた。溶け残った石灰石をすべて溶かすには、同じ濃度のうすい塩酸をさらに何cm³加える必要があるか。
(4)この実験で使ったうすい塩酸と同じ濃度の塩酸20cm³と、過不足なく反応する石灰石は何gか。また、このとき発生する気体は何gか。
【解答・解説】中学理科の厳選対策問題の解答
【問1】
(1)ねじA:空気調節ねじ ねじB:ガス調節ねじ
ガスバーナーの上の方についてねじが空気調節ねじ、下の方についているねじがガス調節ねじになります。
(2)最初に開くねじ:ねじB 回す向き:X
ガスバーナーに点火する場合は、まずはガス調節ねじを開きガスに点火します。その後に空気を送るために空気調節ねじを開きます。両ねじとも水道の蛇口を開く向きと同じ向きに回すと開きます。
(3)エ→イ→オ→ア→ウ
ガスバーナーの点かの仕方は、①ガス調節ねじ、空気調節ねじが閉まっていることを確かめる。②元栓とコックを開く。③マッチに火をつけガスバーナーの口付近に近づける。④ガス調節ねじを開きガスに点火する。⑤ガス調節ねじを押さえたまま空気調節ねじを開き、炎を青色に調節する。手順を間違るとケガややけどを負ってしまう可能性があるので、実験の注意事項として頻繁に出題されます。
(4)空気調節ねじを少し閉め、空気の量を減らす。
炎の色が透明に近く、ゴーッと音がしている場合は、空気の量が多すぎます。空気調節ねじを閉めて空気の量を減らします。
(5)①ア ②イ ③イ ④イ
ガスバーナーの火を消すときは上から順番に閉めていきます。閉める向きは水道の蛇口を閉める向きと同じ向きになります。
【問2】
(1)水面からの水の蒸発を防ぐため。
蒸散量を調べる実験を行うので、水面から水が蒸発しては正確な実験ができません。水面に油だ入れることで、水面に油の膜ができ、水面からの蒸発を防ぐことができます。
(2)気孔をつぶし蒸散できなくするため。
ワセリンとは油のかたまりです。ワセリンをぬると、気孔にワセリンが入り込み気孔がつぶれます。すると気孔から蒸散ができなくなります。
(3)AとD
Aはそのままの植物なので、葉と茎から蒸散を行っています。Dは葉を切り落とされているので、茎のみから蒸散を行います。この2つを比べると葉からの蒸散量を知ることができます。
(4)BとC
Bは葉の裏にワセリンをぬっているので、葉の裏側から蒸散を行うことができません。一方のCは葉の表側にワセリンぬっているので、葉の表側から蒸散を行うことができません。この2つを比べると、葉の裏と表のどちらから蒸散が盛んに行われているか調べることができます。
(5)18cm³
Dの結果から茎からの蒸散量は2cm³だとわかります。Cは葉の表にワセリンをぬっているので、葉の裏と茎から蒸散を行っています。茎からの蒸散量は2cm³なので、葉の裏側からの蒸散量は、13cm³-2cm³=11cm³だとわかります。Bは葉の裏にワセリンをぬっているので、葉の表と茎から蒸散を行っています。茎からの蒸散量は2cm³なので、葉の表側からの蒸散量は、7cm³-2cm³=5cm³だとわかります。したがって、植物全体の蒸散量は、
2cm³+11cm³+5cm³=18cm³
になります。
【問3】
(1)溶解度
水100gに溶ける物質の最大の量を溶解度といいます。溶解度は、物質の種類によって変わります。また、温度が変化すると溶解度も変化します。
(2)飽和水溶液
飽和とは、満タンという意味です。それ以上はいらない、それ以上溶けないという意味になります。溶解度いっぱいまで溶かした水溶液は飽和水溶液といいます。
(3)水溶液の温度を上げる。
溶解度は、固体の場合、温度を上げると大きくなります。唯一、食塩(塩化ナトリウム)のみは、温度が上がっても溶解度はあまり変化しません。
(4)硝酸カリウム
溶解度のグラフを見ると、40℃で水100gに最もよく解ける物質は、硝酸カリウムであることがわかります。
(5)37.5%
60℃の水に100gにミョウバンは60g溶けるので、ミョウバン水溶液の質量は160gになります。濃度は、60g/160g ×100=37.5%になります。
(6)48g
ミョウバンの20℃での溶解度は12gとなっているので、出てくる結晶の量は、
60g-12g=48g になります。
(7)再結晶
高温の水に物質を溶けるだけ溶かし、冷やして結晶としてとり出す操作を再結晶といいます。温度による溶解度の違いを利用して混合物を分ける方法です。
(8)理由:食塩は温度が変わっても溶解度があまり変化しないため。
結晶をとり出すには:水分が無くなるまで加熱して蒸発させる。
食塩(塩化ナトリウム)は、温度が変化しても溶解度があまり変化しません。したがって、食塩水から結晶をとり出すには、水分をすべて蒸発させるしか方法がありません。
【問4】
(1)この実験で発生した気体は何か。
二酸化炭素
石灰石にうすい塩酸で二酸化炭素が発生します。
(2)うすい塩酸10cm³が過不足なく反応する石灰石の質量は何gか。
2.0g
上の表に、生じた二酸化炭素の質量を、反応前の質量ー反応後の質量で求めると、石灰石の質量が2.0g以降、発生する二酸化炭素の質量が増加しないことがわかります。
(3)反応後のビーカーGには、石灰石の一部が溶けずに残っていた。溶け残った石灰石をすべて溶かすには、同じ濃度のうすい塩酸をさらに何cm³加える必要があるか。
4.0cm³
(2)で、うすい塩酸10cm³に石灰石は2.0gしか溶けないとわかったので、
2.8-2.0=0.8gの石灰石が溶け残っているとわかります。
これを反応させるために必要なうすい塩酸は、
10cm³:2.0g=xcm³:0.8g
x=4.0cm³
(4)この実験で使ったうすい塩酸と同じ濃度の塩酸20cm³と、過不足なく反応する石灰石は何gか。また、このとき発生する気体は何gか。
石灰石:4.0g 二酸化炭素:2.0g
実験で、うすい塩酸10cm³と石灰石2.0gが過不足なく反応するとわかったので、うすい塩酸20cm³と過不足なく反応する石灰石の質量は、
10:2.0=20:x
x=4.0g
また、うすい塩酸10cm³と石灰石2.0gが過不足なく反応すると、1.0gの二酸化炭素が生じているので、
10:1.0=20:x
x=2.0g
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