中学理科演習問題「蒸散の量を調べる実験」です。
【演習問題】蒸散の量を調べる実験
アジサイの葉を下図のようにして、蒸散の量を調べる実験を行った。表は、このときの水の減少量をまとめたものであるこれについて、次の各問いに答えよ。
試験管 | A | B | C | D |
水の減少量[cm³] | X | 7 | 13 | 2 |
(1)この実験で、メスシリンダーの水に油を入れる理由を答えよ。
(2)この実験で、葉にワセリンをぬる理由を答えよ。
(3)この実験で、蒸散はおもに葉で行われるということを調べるには、A~Dのどれとどれを比べるとよいか。
(4)この実験で、蒸散は葉の表より裏で盛んであるということは、A~Dのどれとどれを比べるとよいか。
(5)表のXの水の減少量を求めよ。
【解答・解説】蒸散の量を調べる実験
(1)水面からの水の蒸発を防ぐため。
蒸散量を調べる実験を行うので、水面から水が蒸発しては正確な実験ができません。水面に油だ入れることで、水面に油の膜ができ、水面からの蒸発を防ぐことができます。
(2)気孔をつぶし蒸散できなくするため。
ワセリンとは油のかたまりです。ワセリンをぬると、気孔にワセリンが入り込み気孔がつぶれます。すると気孔から蒸散ができなくなります。
(3)AとD
Aはそのままの植物なので、葉と茎から蒸散を行っています。Dは葉を切り落とされているので、茎のみから蒸散を行います。この2つを比べると葉からの蒸散量を知ることができます。
(4)BとC
Bは葉の裏にワセリンをぬっているので、葉の裏側から蒸散を行うことができません。一方のCは葉の表側にワセリンぬっているので、葉の表側から蒸散を行うことができません。この2つを比べると、葉の裏と表のどちらから蒸散が盛んに行われているか調べることができます。
(5)18cm³
Dの結果から茎からの蒸散量は2cm³だとわかります。Cは葉の表にワセリンをぬっているので、葉の裏と茎から蒸散を行っています。茎からの蒸散量は2cm³なので、葉の裏側からの蒸散量は、13cm³-2cm³=11cm³だとわかります。Bは葉の裏にワセリンをぬっているので、葉の表と茎から蒸散を行っています。茎からの蒸散量は2cm³なので、葉の表側からの蒸散量は、7cm³-2cm³=5cm³だとわかります。したがって、植物全体の蒸散量は、
2cm³+11cm³+5cm³=18cm³
になります。
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