中学公民「地方自治のしくみの重要ポイント」です。
地方自治のしくみ
地方自治は、「民主主義の学校」とよばれる。地方分権を進めるため、1999年には地方分権一括法を制定。
- 地方公共団体(地方自治体)…都道府県や市(区)町村。
地方公共団体の仕事
- 小・中学校の設置
- 警察・消防
- ごみ処理
- 道路や上下水道の整備
など。
地方分権一括法
1999年に成立し、これまで国の指揮・監督下で処理されてきた機関委任事務が廃止された。
- 自治事務の拡大…国の指示を受けない自治事務(都市計画の決定病院・薬局の開設許可など)と、国が実施方法まで指示できる法定受託事務(戸籍事務、国政選挙、旅券の交付、生活保護など)とに再編された。自治事務の割合が増え、自治体の負担は減少。
- 国地方係争処理委員会…国からの地方自治への関与をめぐって対立が生じた場合、自治体の側から不服申し立て・審査請求ができるようになった。
地方議会のしくみ
地方議会は、都道府県議会と市(区)町村議会からなり条例の制定や予算の議決などを行う。首長・都道府県知事と市(区)町村長は、住民の直接選挙で選ばれる。
地方議会の仕事
予算案や条例案をつくったり、地方公務員の仕事の指揮・監督などを行ったりする。直接請求権で、条例の制定や改廃の請求、首長や議員の解職請求(リコール)などがある。
地方財政
財源は自主財源と依存財源に分かれる。
- 自主財源…住民が納める地方税など。平均約4割と低く、自主財源の不十分な自治体が多い。
- 依存財源…地方交付税交付金は、地方公共団体間の格差をおさえるために国から配分されるお金。使途は自由。
- 国庫支出金…使途を限定して国から支払われるお金。
- 地方債…地方公共団体の借金。
市町村合併は、財政安定化や地方分権 行政の効率化のため行われた。
住民の政治参加の拡大
- 住民投票…住民の意見を明らかにするために、住民投票条例により、住民投票を行う。結果に法的な拘束力はない。
- オンブズパーソン(オンブズマン)制度…行政を監視。
- NPO(非営利組織)…公共の利益のために活動。
【確認問題】地方自治のしくみ
次の問題に答えなさい。
1 住民の意思にもとづいて、それぞれの地方の運営を行うことを何といいますか。
2 地域住民の生活に結びついたさまざまな仕事を行う、市(区)町村と都道府県をまとめて何といいますか。
3 地方自治を実現するために住民に認められた直接民主制の要素を取り入 れた権利を何といいますか。
4 特定施設の建設などその、その地域の個別の問題について,住民全体の意見を 明らかにするために行われる投票を何といいますか。
5 国と地方公共団体を対等に位置づけて、国の仕事や財源を地方に移す を何といいますか。
6 近年、仕事の効率化や財政の健全化などを目的に行われたことは何ですか。
【解答・解説】地方自治のしくみ
1 住民自治
2 地方公共団体(地方自治体)
地方公共団体で市(区)町村という場合の区は、東京都の23区のことで、特別区と呼ばれる。地方公共団体の一つで、市町村とほぼ同じ権限をもつ。
3 直接請求権
直接請求権の署名数は、有権者数の50分の1以上と3 分の1以上の2種類がある。人の地位や職をうばうので、議会の解散請求と解職請求の条件がきびしい。
4 住民投票
住民投票は、国が特定の地方公共団体にかかわる特別法をつくるときに行う住民投票は、憲法で定められている。近年増えている、条例にもとづいて行われる住民投票には法的な拘束力はない。
5 地方分権
6 市町村合併
■ オンブズパーソン制度
オンブズパーソンは、行政に対する住民の苦情を処理したり、行政が適正に行 われているかを監視したりする人で、オンブズマンやオンブズとも呼ばれる。
オンブズパーソンは、行政に対する住民の苦情を処理したり、行政が適正に行 われているかを監視したりする人で、オンブズマンやオンブズとも呼ばれる。
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