中学2年理科。回路と電流の複雑な計算問題に挑戦します。
- レベル★★★★
- 重要度★☆☆☆
- ポイント:回路の合成抵抗を求める!
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授業用まとめプリント「複雑な回路の計算」
複雑な回路の計算問題
回路の計算で、複雑な回路の計算問題が出題される場合があります。公立高校の入試では登場しませんが、定期テストや私立高校の入試問題ではよく見かけますので、必要な場合は、下記の練習問題に挑戦してください。
複雑な回路の計算では、直列回路と並列回路が混ざったような回路や、抵抗が何個も直列に、並列につながっている回路などがあります。これらの回路を計算するポイントは、回路全体の合成抵抗(全体の抵抗)を考えることです。
合成抵抗(全体の抵抗)の求め方
合成抵抗(全体の抵抗)の求め方は、直列部分と並列部分で次のように計算の方法が異なります。
直列部分
直列部分の合成抵抗は、各抵抗の和になります。
合成抵抗=10Ω+10Ω=20Ω
並列部分
並列部分の合成抵抗は、各抵抗の逆数の和で求めます。
合成抵抗=1/30 +1/15=1/10
したがって、合成抵抗は10Ω
この2つの合成抵抗の求め方を使って、回路全体の抵抗を求めることができるようになりましょう。それでは、複雑な回路の計算に挑戦しましょう。
複雑な回路その1
よく出題される複雑な回路図として、下図のような回路があります。
この回路に流れる電流や、回路全体の抵抗を求めてみましょう。
- 並列部分の合成抵抗を求める
1/30+1/15=1/10
合成抵抗は10Ω - 並列部分を1つの抵抗とみなし、直列部分の合成抵抗を求める
20+10=30Ω
これが全体の抵抗です。 - 電源の電圧と全体の抵抗で全体の電流を求める
12V÷30Ω=0.4A - 20Ωの抵抗にかかる電圧を求める
20Ω×0.4A=8V - 並列部分の電圧を求める
12V-8V=4V - 並列部分の電流を求める
4V÷30Ω=0.133…A
4V÷15Ω=0.266…A
このように計算すると、すべての電流・電圧・抵抗を求めることができます。
複雑な回路その2
次のような回路図も出題されやすいです。
この回路に流れる電流や、回路全体の抵抗を求めてみましょう。
- 直列部分の合成抵抗を求める
10Ω+10Ω=20Ω - 直列部分を1つの抵抗とみなし、並列部分の合成抵抗を求める
1/20+1/20=1/10
合成抵抗は10Ω
これが全体の抵抗 - 電源の電圧と全体の抵抗から全体の電流を求める
12V÷10Ω=1.2A - 20Ωの抵抗に流れる電流を求める
並列なので12Vの電圧がかかる
12V÷20Ω=0.6A - 直列部分の電流を求める
1.2A-0.6A=0.6A - 10Ωの抵抗にかかる電圧を求める
10Ω×0.6A=6.0V
計算順序は、いろいろありますので、とにかくわかる部分をどんどん計算し、回路図の中にかき入れるようにしてください。
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