中学2年理科。化学変化の中の分解「炭酸水素ナトリウム」の熱分解について学習します。
- レベル★★☆☆
- 重要度★★★☆
- ポイント:炭酸水素ナトリウムと炭酸ナトリウムの比較、実験の注意点
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授業用まとめプリント「炭酸水素ナトリウムの熱分解」
分解とは
物質が全く別の物質になる変化を化学変化といいました。その中でも1種類の物質が2種類以上の物質に分かれる化学変化を分解といいました。さらにその中の熱分解を学習します。下の図を参考にしてください。
熱分解とは、化学変化の一種で、加熱により、1種類の物質を2種類以上の別の物質にする化学変化です。
加熱で A→B+C
化学変化の中でも熱分解とはどのような化学変化か。
解答加熱により、1種類の物質を2種類以上の別の物質にする化学変化。
熱分解は2つ覚えるだけ
中学校で登場する熱分解は、次の2つしかありません。覚える量もそんなに多くありませんので完璧に仕上げましょう。
- 酸化銀の熱分解
- 炭酸水素ナトリウムの熱分解
次の化学変化の中から熱分解をすべて選べ。
ア 水に電流を流したら気体が発生した。
イ 酸化銀を加熱したら気体が発生した。
ウ 酸化銅と炭素を混ぜ加熱したら気体が発生した。
エ ベーキングパウダーを加熱したら気体が発生した。
解答イ、エ
アは電気分解、ウは還元になります。詳しくは後で学習します。エのベーキングパウダーには炭酸水素ナトリウムがふくまれています。
炭酸水素ナトリウムの熱分解
ホットケーキミックスに入っているベーキングパウダーや、重曹、ふくらし粉の主成分が炭酸水素ナトリウムです。
炭酸水素ナトリウムを加熱すると、試験管内に白い固体が残り、試験管の口付近に液体が付き、石灰水を白くにごらせる気体が発生します。
炭酸水素ナトリウム→炭酸ナトリウム+二酸化炭素+水
- 発生した液体が水であるかどうかの調べ方
塩化コバルト紙が青色から赤色に変化 - 発生した気体が二酸化炭素であるかどうかの調べ方
石灰水に通すと白くにごる
炭酸水素ナトリウムを試験管内で加熱する実験について、以下の各問いに答えよ。
(1)炭酸水素ナトリウムを加熱すると、試験管内に何色の固体が残るか。
(2)炭酸水素ナトリウムを加熱すると、試験管の口付近に液体が付いた。この液体を調べる紙の名称を答えよ。また、その紙は何色から何色に変化するか。
(3)炭酸水素ナトリウムを加熱したときに発生する物質を、すべて答えよ。
解答(1)白 (2)塩化コバルト紙、青色→赤色 (3)炭酸ナトリウム、二酸化炭素、水
炭酸水素ナトリウムと炭酸ナトリウムの比較
加熱前の炭酸水素ナトリウムと、加熱後の炭酸ナトリウムは別の物質です。これを調べる実験もテストに頻出ですのでしっかり覚えましょう。
加熱前の炭酸水素ナトリウムと加熱後の炭酸ナトリウムの違いを調べる方法とその結果を、簡潔に答えよ。
解答水に溶かしフェノールフタレイン溶液を加えると、炭酸水素ナトリウムはうすい赤色、炭酸ナトリウムは濃い赤色になる。
固体を加熱するときの注意点
炭酸水素ナトリウムなどの固体を加熱する際の注意点もテストによく出題されます。
- 試験管の口の方を少し下げて加熱する理由
→発生した液体が加熱部に流れ、試験管が割れるのを防ぐため。 - 加熱をやめる前にすること
→石灰水の逆流を防ぐため、ガラス管を石灰水からとりだす。
炭酸水素ナトリウムのような固体を加熱するとき、下の図のように、試験管の口の方を下げて加熱する理由を、簡潔に答えなさい。
解答発生した液体が加熱部に流れ、試験管が割れるのを防ぐため。
まずは、ここまで覚えれば9割がた完成といったところでしょうか。特に実験の注意点をよく問われますので、しっかり記述できるように練習しておきましょう。また、塩化コバルト紙を忘れる生徒が多いようです。水を調べる方法についてもしっかり復習しておきましょう。
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