中学2年理科。天気分野で登場する湿度の計算練習を行います。
- 重要度★★★☆
- レベル★★★☆
- ポイント:露点は実際の水蒸気量を教えてくれる!
授業用まとめプリントは下記リンクからダウンロード!
授業用まとめプリント「湿度の計算特訓」
湿度の計算パターン
湿度に関する計算パターンは大きく4つに分かれます。
- 気温と水蒸気量から湿度を計算する。
- 気温と湿度から水蒸気量を計算する。
- 露点を使って湿度を計算する。
- 生じる水滴の量を計算する。
この3パターンで計算問題が作られます。どれも湿度が飽和水蒸気量に対する実際の水蒸気量を表していることがポイントです。それから、露点の飽和水蒸気量が空気中の水蒸気量を表していることもポイントになります。
では、計算問題に挑戦しましょう。飽和水蒸気量は下記の飽和水蒸気量の表を使ってください。
気温[℃] | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
飽和水蒸気量[g/m³] | 12.8 | 13.6 | 14.5 | 15.4 | 16.3 | 17.3 | 18.3 | 19.4 | 20.6 | 21.8 | 23.1 |
水蒸気量から湿度を計算
[問題1]気温が20℃で水蒸気量が11.5g/m³の空気の湿度は何%か。答えは小数第2位を四捨五入し小数第1位まで求めよ。
最も基本的な湿度の計算問題です。飽和水蒸気量に対する実際の水蒸気量の割合を求めます。湿度は次の公式で求めることができました。
気温が20℃なので、飽和水蒸気量は表より17.3g/㎥となります。水蒸気量は11.5g/㎥とわかっているので、
11.5/17.3 ×100=66.47…
答えは66.5%
湿度から水蒸気量を計算
[問題2]気温が20℃で湿度が80%の空気には何gの水蒸気が含まれるか。答えは小数第2位を四捨五入し小数第1位まで求めよ。
飽和水蒸気量を100%としたとき、実際の水蒸気量が80%であると教えてくれているので、飽和水蒸気量に割合をかけて求めます。表より20℃の飽和水蒸気量は17.3g/㎥なので、水蒸気量は、
17.3g/㎥×0.8=13.84
答えは13.8gとなります。
露点から湿度を計算
[問題3]気温が20℃で露点が16℃の空気の湿度は何%か。答えは小数第2位を四捨五入し小数第1位まで求めよ。
この問題が一番テストや入試に登場します。露点が実際の水蒸気量を教えてくれているところがポイントです。気温が20℃で飽和水蒸気量は17.3g/㎥だとわかりますが、実際の水蒸気量は不明です。そこで、この空気を冷やしていくと16℃で水滴が生じ始めたということですね。グラフで表すと次のようになります。
水滴が生じ始めたとき(露点に達したとき)、飽和水蒸気量と実際の水蒸気量は等しくなります。つまり、露点の飽和水蒸気量が実際の水蒸気量になります。
13.6/17.3 ×100=78.61…
答えは78.6%
実際にテストや入試に出るのは次のような問題です。
[問題4]金属製のコップにくみ置きの水を入れて、水温をはかったところ21℃であった。次に氷を入れた試験管でコップの水の温度を下げ、コップの表面がくもり始めたときの温度をはかったところ、16℃であった。このときの理科室の湿度を求めよ。
これも問題3と同じ解き方ですね。くみ置きの水ですので、水温と気温が等しくなっています。気温は21℃だとわかります。飽和水蒸気量は表より18.3g/㎥です。
コップの表面がくもり始めた温度とは露点のことです。くもり始めたとは水滴ができ始めたということです。露点が16℃だとわかったので、実際の水蒸気量は13.6g/㎥となります。
13.6/18.3 ×100=78.61…
答えは78.6%
生じる水滴の量を計算
[問題5]気温が24℃で露点が21℃の空気の温度を17℃まで下げると、空気1m³中に何gの水滴が生じるか。
最後は、空気を冷やして水滴が生じる問題です。実際の水蒸気量よりも飽和水蒸気量が小さくなってしまいます。飽和水蒸気量を超えた分が生じる水滴の量です。
露点が21℃なので、実際に含まれる水蒸気の量は18.3g/㎥。17℃になると飽和水蒸気量は14.5g/㎥しか入らないので、
18.3-14.5=3.8g水蒸気が入りきれなくなります。
答え3.8g
いかがでしたか。以上が湿度の基本的な計算パターンです。動画で詳しく解説しているので是非ご覧ください。
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