中学2年理科。血液循環で重要な腎臓について学習します。
- レベル★★☆☆
- 重要度★★☆☆
- ポイント:アンモニアが尿素になり尿として排出される仕組み
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授業用まとめプリント「腎臓のはたらき」
腎臓のつくりとはたらき
腎臓(じんぞう)は、背中の腰あたりに2つある器官で、血液中の不要物の排出にかかわる器官です。大きさは握りこぶしくらいの大きさで、絶えず大量の血液が流れ込んでいます。
腎臓には、血液中の不要物を取り除くというはたらきがありますが、その他にも大切なはたらきがありますので、次の2つのはたらきをしっかりと覚えましょう。
腎臓の2つのはたらき
❶血液中の尿素などの不要物をこし取り、尿として体外に排出する。
❷血液中の塩分濃度を調節する。
❶血液中の尿素などの不要物をこし取り、尿として体外に排出する。
❷血液中の塩分濃度を調節する。
体内でできた不要物のうち、二酸化炭素は肺で体外に排出しますが、その他の尿素や余分な塩分、水分などは腎臓で排外に排出されます。また、ヒトの血液中の塩分濃度は、常に0.9%になるように腎臓で調節されています。下の図で、腎臓のつくりの名称と場所を覚えましょう。特に、輸尿管(ゆにょうかん)やぼうこうは名称が問われやすいです。
アンモニアの排出
生物のからだでできる有害なアンモニアが排出される仕組みも重要です。細胞の呼吸や消化で発生する、人体にとって有害なアンモニアは、肝臓と腎臓のはたらきで体外に排出されます。
まず、肝臓で有害なアンモニアが、無害な尿素につくりかえられます。その後、尿素が含まれている血液は、心臓に戻り、肺循環で肺に送られます。再び心臓に戻ってきて、次は体循環で全身に送りだされます。このとき腎臓を通過した血液から、不要物である尿素がこしとられ、尿として体外に排出されます。
血液循環の図で確認してください。
有害なアンモニアが体外に排出されまで…
- 小腸で有害なアンモニアが血液に吸収される。
- 肝門脈を通りアンモニアが肝臓に送られる。
- 肝臓でアンモニアが尿素につくり変えられる。
- 尿素は血液とともに心臓に戻る。
- 肺循環を経て尿素を含む血液が心臓に戻る。
- 尿素を含む血液が心臓から全身に送られる。
- 尿素を含む血液が腎臓に流れるときにこし取られる。
アンモニアの排出
❶肝臓で有害なアンモニアが無害な尿素に変えられる。
❷尿素が腎臓でこし取られ体外に排出される。
❶肝臓で有害なアンモニアが無害な尿素に変えられる。
❷尿素が腎臓でこし取られ体外に排出される。
腎臓の練習問題
【問題】次の1~4の各問いに答えよ。
- 腎臓のつくりで、腎臓でこし取られできた尿が通る管を何というか。
- 腎臓につながる腎動脈と腎静脈で、不要物が少ない血液が流れているのはどちらか。
- 腎臓では肝臓でアンモニアからつくられた物質がこし取られるが、それは何という物質か。
- 腎臓には、血液中の不要物をこし取るというはたらきがあるが、もう一つの腎臓のはたらきを簡潔に答えよ。
【解答】
- 輸尿管
腎臓でこし取られた不要物は、輸尿管を通りぼうこうに送られます。輸尿管は尿管でもOK。 - 腎静脈
動脈は心臓から送られた血液が流れる血管、静脈は心臓に戻る血液が流れる血管です。腎臓で不要物がこし取られ心臓に戻されるので、腎静脈を流れる血液が不要物が少なくなっています。 - 尿素
体内でできた有害なアンモニアは、まず肝臓で無害な尿素につくり変えられ、その後、腎臓で尿素が体外に排出されます。 - 血液中の塩分濃度を調節する。
血液中の塩分濃度が常に0.9%になるように、腎臓が塩分や水分の排出を行っています。
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