水の中で受ける上向きの力「浮力」のついて学習します。水に物体を入れると軽く感じるのは、「浮力」がはたらいているからです。中学3年生の理科では、この浮力の仕組みや計算方法を学びますが、「どうやって求めるのかわからない」「アルキメデスの原理が難しい」と感じる人も多いのではないでしょうか?
本記事では、浮力の求め方をわかりやすく解説し、重要なポイントや計算のコツを紹介します。テストや高校入試でよく出る問題にも対応できるように、しっかり理解していきましょう!
- レベル★★★★
- 重要度★★☆☆
- ポイント:浮力の求め方4パターンをマスター!
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授業用まとめプリント「浮力の求め方」
浮力とは
浮力とは、水などの液体の中で受ける上向きの力です。お風呂や海に入ったとき、浮かび上がるような力を受けますよね。それが浮力です。
浮力の大きさは、液体の中にある物体の体積で決まります。液体の中に多くの体積が入っているほど浮力が大きくなります。液体の中に入っている体積で浮力が決まるのですから、水面からの深さは関係がありません。物体が全て液体の中に入っている場合、深かろうが浅かろうが浮力の大きさは変わりません。
浮力の求め方
浮力を計算させる問題も、定期テストや高校入試に登場します。簡単な計算から、少し難しい計算まで4パターンありますので、自分の学習度合いにより練習してみてください。
- 空気中での重さ〔N〕-水中でのばねはかりの値〔N〕
- 力のつり合い
- 上面の水圧と下面の水圧の差
- アルキメデスの原理
まずは、1の浮力の求め方ですが、液体中でのばねはかりの値から浮力を求めるパターンです。空気中でのばねはかりの値からどれほど軽くなっているかで浮力を求めます。
2の力のつり合いは、水面などで物体が浮かんで静止している場合に使う解き方です。静止しているのですから、物体にはたらいている重力と浮力がつり合っています。つまり、物体にはたらく重力がそのまま浮力となるのです。
3と4は、水圧や密度を使って浮力を求めるパターンです。詳しくは動画で説明しているので、必要にお応じて計算練習を行いましょう。

(1)水中にある物体Aには、上向きの力が生じている。この上向きの力を何というか。
(2)図の状態のとき、物体Aにはたらく浮力の大きさは何Nになるか。
(3)図の状態からさらに物体Aを、ビーカーの底に触れないように深く沈めた。このとき、ばねばかりの値はどのようになるか。下のア~ウから選べ。
ア 大きくなる イ 小さくなる ウ 変わらない
解答(1)浮力 (2)1.2N (3)ウ
(2)500g=5.0N 5.0N-3.8N=1.2N
【問題】浮力に関する確認問題
【問】下の図のように、直方体の物体Aにばねばかりをつけて水そうの底に沈めた後、ばねばかりをゆっくりと真上に引きながら、水そうの底から物体Aの底面までの距離とばねばかりの示す値との関係を調べた。グラフはそのときの結果を表したものである。これについて、次の各問いに答えよ。
(1)物体Aの上面が水面に達したとき、水そうの底から物体Aの底面までの距離は何cmになっているか。
(2)物体Aの高さは何cmか。
(3)物体Aの空気中での重さは何Nですか。
(4)物体Aが完全に水そうの水の中にあるとき、物体Aにはたらく浮力の大きさは何Nになるか。
(5)水そうの底から物体Aの底面までの距離が4.0cmのとき、おもりにはたらく浮力の大きさは何Nになるか。
【解答・解説】浮力に関する確認問題
(1)2.0cm
物体が完全に水につかっているとき、深かろうが浅かろうが浮力の大きさは変化しません。物体が水から出てくると浮力は小さくなっていきます。つまり、水の中にある物体の体積が大きいほど浮力は大きくなります。水そうの底から物体Aの底面までの距離が2cmになったとき、ばねばかりの大きさが変化し始めるので、ここで物体Aが水面に達したことがわかります。
(2)6.0cm
物体の上面と水面が一致しているときの水そうの底から物体Aの底面までの距離は2cm、物体の下面と水面が一致しているときの水そうの底から物体Aの底面までの距離は8cmになることから、物体の高さは、
8cm-2cm=6cm
(3)5.0N
水そうの底から物体Aの底面までの距離が8cmになると、ばねばかりの値が5Nで変化しなくなります。これは、物体が空気中に完全に出てしまったことを表しています。
(4)3.0N
物体の重さは(3)で5Nだとわかりました。物体が完全に水中にあるときのばねばかりの値は2Nなので、浮力の大きさは、
5.0N-2.0N=3.0N
(5)2.0N
水そうの底から物体Aの底面までの距離が4.0cmのとき、ばねばかりの値は3Nを示していることから、
5N-3N=2N
の浮力が生じていることがわかります。
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