中学国語で学ぶ『古今和歌集』の「仮名序(かなじょ)」は、平安時代の和歌の歴史を知るための重要な部分です。「仮名序」は、和歌の起源や美しさについて述べられた序文であり、和歌の文化を理解する上で欠かせません。本記事では、「仮名序」の内容や特徴を押さえた練習問題を解説付きでご紹介。定期テストや高校入試対策にも役立つ内容ですので、しっかりとポイントを押さえて学びましょう!
古今和歌集の問題
次の古文を読んで、後の問いに答えなさい。
よろづの言の葉とぞなれりける。世の中にある人、ことわざしげきものなれば
心に思ふことを、
見るもの聞くものにつけて➊言ひ出だせるなり。花に鳴くうぐひす、水に住むかはづの声を聞けば
生きとし生けるもの、
➋いづれか歌をよまざりける。
力をも入れずして、天地を動かし、
目に見えぬ鬼神をもあはれと思はせ
男女のなかをもやはらげ
猛きもののふの心をも、なぐさむるは歌なり。
<現代語訳>
和歌は、人の心を「種」として、(その種から葉が育つようにして)、
それがさまざまな言の「葉」になったものです。
世の中に住む人の出来事や行事はたくさんありますので、
心に思うことを、
見るものや聞くものに託して、言葉にしているものであります。
花に鳴く鶯や水に住む蛙の鳴き声を聞くと、
生きているもので歌を詠まないものなど、いったいあるでしょうか。
力も入れないで天地を動かし、
目に見えない精霊ですらしみじみと感動させ、
男女の仲も和らげ、
勇ましい武士の心でも慰める。それが歌なのです。
【問1】古今和歌集仮名序を書いた人物名を答えなさい。
【問2】次の言葉を現代仮名遣いにしなさい。すべて平仮名で書くこと。
➊よろづ ➋あはれ
【問3】「➊言ひ出だせるなり」の主語を古文中から七字で書き抜きなさい。
【問4】「➋いづれか歌をよまざりける。」の助詞「か」と係り結びの関係にある結びの語を書き抜きなさい。
古今和歌集の問題の解答
【問1】紀貫之
【問2】➊よろず ➋あわれ
【問3】世の中にある人
【問4】ける
【中学国語】古今和歌集「仮名序」のポイントまとめ
◆ 1. 仮名序とは?
「仮名序(かなじょ)」は、『古今和歌集』の序文です。平安時代の紀貫之(きのつらゆき)が書いたもので、和歌の美しさや起源、またその重要性について語っています。この序文は、和歌を詠むことの意義や、和歌を詠むための心構えを述べており、和歌を通じて日本の美を表現しようとしています。
◆ 2. 内容の要点
- 和歌の誕生と歴史:和歌は、神話の時代から人々の心を表現するために存在し、その美しさが評価されてきたこと。
- 和歌の魅力:和歌には「情感を表現する力」があり、感情を豊かに表現することができる。
- 平安時代の和歌文化:和歌は、貴族文化の中で発展し、日常的に使われていた。特に、自然の美しさや人の感情を繊細に表現することが重視されていました。
◆ 3. 重要なキーワード
- 「言葉の力」:和歌は短い言葉の中に深い感情や意味を込めることができる。そのため、言葉一つ一つが大切である。
- 「感受性」:自然や人々の心情に敏感に反応し、それを和歌として表現する力が求められる。
- 「表現の美」:和歌を詠む際には、言葉の美しさや響きが重要視されている。
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