中学2年理科。電流と磁界の電気ブランコについて学習します。
- レベル★★☆☆
- 重要度★★★☆
- ポイント:電流が磁界から受ける力の向き!
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授業用まとめプリント「電気ブランコ」
電流が磁界から受ける力
磁石の磁界の中に電流を流すと、電流は磁界から力をうけます。下図のように、U字型磁石のN極とS極の間に導線を通し、そこに電流を流します。すると、導線を流れる電流は磁界の向きと電流の向きの両方に対し垂直な向きに力を受け導線が動きます。
磁界を強め合う・弱め合う
ではなぜ、導線を流れる電流は力を受けて動いたのでしょうか。それは、磁石の磁界と導線を流れる電流のまわりの磁界が、お互いに強め合ったり、弱め合ったりするためです。
上の図の右側を見てください。U字型磁石の中に通っている導線の左側では、磁石の磁界の向きと導線を流れる電流のまわりの磁界の向きが逆向きになっています。これは、磁界がぶつかり合い、磁界を弱めていることになります。
導線の右側では、磁石の磁界と導線を流れる磁界の向きが同じ方向になっています。これは、磁界どうしが強め合っていることを表しています。
導線の左側では磁界が弱まり、導線の右側では磁界が強まるので、導線が磁界が強い方から弱い方に押されて動くのです。
フレミングの左手
電流が磁界から受ける力を簡単に判断する方法があります。それがフレミングの左手です。イギリスの科学者、ジョン・フレミングが発見した法則です。
まず間違えないでほしいのは、左手を使うということです。右手でやると全く正反対の答えになってしまいます。左手の親指と人差し指、中指を、下図のように垂直に立ててください。そして、その指を次の向きにあわせます。
- 中指→導線を流れる電流の向き
- 人差し指→磁石の磁界の向き(N極からS極)
- 親指→導線が力を受けて動く向き
電流の向き、磁界の向きにあわせて、柔軟に左手を動かし、あわせてください。これがどうしてもできないという方は、次の方法も検討してみてください。
黄金の左手
これも左手を使って、電流が磁界から受ける力を調べようとする方法です。手のひらを親指だけを他の4本の指と垂直になるように開きます。
手のひらの方を、磁石のN極に向けます。手の甲の方はS極に向けます。この状態で、4本の指を導線に流れる電流にあわせます。すると、親指が力を受けて動く向きになります。
電気ブランコ
電流が磁界から受ける力(電気ブランコ)の簡単な問題に挑戦してみましょう。下図の問題が基本的な問題です。
力の大きさを大きくする方法や、力の向きを反対にする方法は非常によく聞かれます。それぞれ、2つの方法を答えられるようにしましょう。
モーター(電動機)
電流が磁界から受ける力(電気ブランコ)を利用すると、モーター(電動機)をつくることができます。モーターは、導線を巻いてつくったコイルと磁石からできており、そこに電流を流すことで、一定方向に回転し続けるようにした装置です。
切れ込みが入った金属の筒である整流子のはたらきが重要になります。整流子は、半回転(180°回転)するごとに、コイルに流れる電流の向きを変える装置で、一定の方向に、モーターが回転できるようにするものです。
下図で、180°回転するごとに電流の向きが反対になることを確認しておいてください。
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