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中学歴史「日本の仏教史まとめ」これを覚えればテストでは完璧!

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中学生が苦手とする歴史の仏教史についてまとめています。定期テストや入試でもよく出題されますが、どうも苦手な生徒が多いようです。今日は、この仏教史を完璧にマスターしてしまいましょう。

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日本の仏教史

中学歴史で登場する仏教のまつわることをすべてまとめていきます。まずは大きな流れを下の年表で確認しましょう。

■仏教史年表

時代 内容
古墳時代(6世紀半ば) 仏教伝来百済から仏像や経典が伝わる。
飛鳥時代(6世紀後半~7世紀) 蘇我氏・聖徳太子らが仏教を重視した政治を行う。
日本で最初の仏教文化である飛鳥文化が栄える。
奈良時代(8世紀) 聖武天皇仏教の力で国を治めようとした国分寺・国分尼寺、都には東大寺が立てられ大仏もつくられた。
行基鑑真仏教の布教に努める。
平安時代前期(9世紀) 最澄比叡山延暦寺を建て天台宗を伝える。
空海高野山金剛峯寺を建て真言宗を伝える。
天皇や貴族の信仰を集める。
平安時代後期(10世紀半ば) 浄土信仰貴族の間に広まる
藤原頼通が宇治に平等院鳳凰堂を造る。
鎌倉時代(12~13世紀) 鎌倉仏教が誕生し、民衆の間に仏教が広まる
浄土宗(法然)・浄土真宗(親鸞)・時宗(一遍)・日蓮宗(日蓮)
禅宗が武士を中心に広まり幕府の保護を受ける。
臨済宗(栄西)・曹洞宗(道元)
室町時代(14世紀~16世紀) 浄土真宗(一向宗)や日蓮宗(法華宗)が宗派ごとに大きな教団をつくる。禅宗は幕府の保護を受ける。
浄土真宗の信者らが一向一揆を起こす。
江戸時代(17世紀~) キリシタン摘発のため江戸幕府が宗門改を行う。
明治時代(19世紀~) 神仏分離令が政府より出され、仏教排斥運動が起こる。
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仏教史の詳細

年表で概要をお伝えしましたが、それぞれもう少し詳しく見ていきましょう。

仏教伝来(古墳時代)

6世紀半ば、朝鮮半島の百済から仏教や経典が朝廷におくられ、仏教が公式に伝わる。『日本書紀』には、欽明天皇13年(552年)に百済の聖明王が使者を使わし、仏像や経典などを献上したと記されている。

飛鳥文化(飛鳥時代)

蘇我氏は、聖徳太子とともに仏教を広め、大王のいた飛鳥地方を中心に、日本で最初の仏教文化である飛鳥文化が栄える。

  • 法隆寺釈迦三尊像…南北朝時代の中国、インドや西アジアの影響が見られる。
  • 十七条の憲法…「あつく三宝を敬え。三宝とは仏・法・僧なり。」

聖武天皇の政治(奈良時代)

聖武天皇と光明皇后は、仏教の力にたよって国を守ろうと、国ごとに国分寺・国分尼寺、都には東大寺を建て、大仏を造らせる。

行基は一般の人々に仏教を広め、橋や用水路を造る。唐の高僧の鑑真が来日し、仏教の発展につくす。

天台宗と真言宗(平安時代前期)

唐から帰国した最澄比叡山延暦寺(京都府・滋賀県)を建てて天台宗を、空海高野山金剛峯寺(和歌山県)を建てて真言宗を伝える。山奥の寺で学問や厳しい修行を行う。

天皇や貴族の個人の願いごとのために儀式や祈りを行ったため、天皇や貴族を中心に信仰を集める。

浄土信仰(平安時代後期)

10世紀半ばの社会不安の中、念仏を唱えて阿弥陀如来にすがり、死後に極楽浄土への生まれ変わりを願う浄土信仰貴族を中心に広まる。阿弥陀仏の像や阿弥陀堂が盛んに造られる。

藤原道長の息子の藤原頼通は、京都府宇治に阿弥陀堂の平等院鳳凰堂を造る。

鎌倉仏教(鎌倉時代)

鎌倉時代になると、わかりやすく実行しやすい仏教が、天皇や貴族だけではなく、民衆や武士の間にも広まる。平安時代後期の浄土信仰の流れをくむ念仏題目を唱えたり、座禅を組み自分の力によって悟りをいたりするようになる。

  • 浄土宗…開祖:法然
    一心に「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えれば、誰でも極楽浄土に生まれ変われことができる。
  • 浄土真宗(一向宗)…開祖:親鸞
    阿弥陀如来を信じる心を強調し、主に農村に広まる。
  • 時宗…開祖:一遍
    念仏の札を配り、踊りを取り入れて全国に広める。
  • 日蓮宗(法華宗)…開祖:日蓮
    法華経の題目を唱えれば、人も国家も救われると説く。
  • 禅宗(臨済宗)…開祖:栄西
    宋から帰国した栄西は臨済宗を開き、座禅によって自分の力で悟りを開く。武士の気風に合う。
  • 禅宗(曹洞宗)…開祖:道元
    宋から帰国した道元は曹洞宗を開き、座禅によって自分の力で悟りを開く。武士の気風に合う。

祈とうを行う天台宗や真言宗は、幕府や朝廷の保護を受ける。神を仏教に取りこんだ神仏習合が広がり、神道が生まれる。

室町時代の仏教

浄土真宗(一向宗)や日蓮宗(法華宗)が宗派ごとに大きな教団をつくる。禅宗は幕府の保護を受ける。加賀では、浄土真宗の信者ら一向一揆を起こす。

禅宗の精進料理の影響で、を飲む習慣が広まる。

江戸時代の仏教

江戸幕府は宗門改を仏教勢力に用いた。幕府は民衆をいずれからの仏教宗派に所属させ、その証明を持ってキリシタンではないことを証明させた。

明治時代の仏教

明治新政府は、神道を国教とする政策を推進する。明治初期に神仏分離令を発令して、神社と寺院を分離し、仏教排斥運動が起こる。

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日本の仏教史に関する確認問題

仏教に関して理解ができているの確認問題です。

(1)日本に仏教が公式に伝えられたのは飛鳥時代で、朝鮮半島の何という国から伝わったか。

(2)飛鳥時代に推古天皇の摂政となり、仏教を中心とする国づくりを行った人物は誰か。

(3)十七条の憲法に「あつく三宝を敬え。」とあるが、三宝とは何か。

(4)聖武天皇が仏教の力に頼って国を守ろうと、国ごとに建てた寺を何というか。

(5)聖武天皇が大仏を納めるために都に立てた寺を何というか。

(6)平安時代の初めに、唐から帰国した最澄が開いた新しい仏教の宗派を何というか。

(7)最澄と同じころ、唐から帰国した空海が開いた新しい仏教の宗派を何というか。

(8)念仏を唱え、阿弥陀如来にすがって、死後に極楽浄土に生まれ変わることを願う信仰を何というか。

(9)藤原頼通が、京都府宇治に立てた阿弥陀堂を何というか。

(10)鎌倉時代の新しい仏教について、次の人物が開いたり、伝えたりした宗派を答えなさい。
①親鸞  ②一遍  ③法然  ④日蓮  ⑤栄西  ⑥道元

(11)神への信仰を仏教に取りこんだ考えを何というか。

(12)浄土真宗の信仰で結び付いた武士や農民たちが各地で起こした一揆を何というか。

(13)鎌倉五山や京都五山を中心に、幕府の保護を受けた仏教の宗派は何か。

(14)仏教の信者であることを、江戸幕府が寺に証明させたことを何というか。

日本の仏教史に関する確認問題 解答

(1)日本に仏教が公式に伝えられたのは飛鳥時代で、朝鮮半島の何という国から伝わったか。
百済

(2)飛鳥時代に推古天皇の摂政となり、仏教を中心とする国づくりを行った人物は誰か。
聖徳太子

(3)十七条の憲法に「あつく三宝を敬え。」とあるが、三宝とは何か。
仏・法・僧

(4)聖武天皇が仏教の力に頼って国を守ろうと、国ごとに建てた寺を何というか。
国分寺・国分尼寺

(5)聖武天皇が大仏を納めるために都に立てた寺を何というか。
東大寺

(6)平安時代の初めに、唐から帰国した最澄が開いた新しい仏教の宗派を何というか。
天台宗

(7)最澄と同じころ、唐から帰国した空海が開いた新しい仏教の宗派を何というか。
真言宗

(8)念仏を唱え、阿弥陀如来にすがって、死後に極楽浄土に生まれ変わることを願う信仰を何というか。
浄土信仰

(9)藤原頼通が、京都府宇治に立てた阿弥陀堂を何というか。
平等院鳳凰堂

(10)鎌倉時代の新しい仏教について、次の人物が開いたり、伝えたりした宗派を答えなさい。
①親鸞:浄土真宗(一向宗)  ②一遍:時宗  ③法然:浄土宗
④日蓮:日蓮宗(法華宗)  ⑤栄西:臨済宗  ⑥道元:曹洞宗

(11)神への信仰を仏教に取りこんだ考えを何というか。
神道

(12)浄土真宗の信仰で結び付いた武士や農民たちが各地で起こした一揆を何というか。
一向一揆

(13)鎌倉五山や京都五山を中心に、幕府の保護を受けた仏教の宗派は何か。
禅宗

(14)仏教の信者であることを、江戸幕府が寺に証明させたことを何というか。
宗門改

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日本の仏教史に関する記述問題

(1)聖武天皇が、全国に国分寺・国分尼寺を、都には東大寺を建てた目的を、「仏教」、「国家」の語句を使って簡単に説明せよ。

(2)浄土信仰とはどのような信仰か。「阿弥陀如来」の語句を用いて簡単に説明せよ。

(3)鎌倉時代に新しい仏教が民衆の間に広く伝わったのはなぜか。簡単に答えよ。

(4)鎌倉の新しい仏教のうち、禅宗は武士の間に広まり、鎌倉幕府や室町幕府の保護を受けた。その理由を、「座禅」、「武士」の語を用いて、簡潔に答えよ。

(5)応仁の乱後、山城では国一揆が、加賀では一向一揆が起きた。この結果、これらの地域の政治はどうなったか。「農民や武士」、「守護大名」の語を用いて、簡潔に答えよ。

日本の仏教史に関する記述問題 解答

(1)聖武天皇が、全国に国分寺・国分尼寺を、都には東大寺を建てた目的を、「仏教」、「国家」の語句を使って簡単に説明せよ。
仏教の力にたよって国家を守るため。

(2)浄土信仰とはどのような信仰か。「阿弥陀如来」の語句を用いて簡単に説明せよ。
念仏を唱え、阿弥陀如来にすがって、死後に極楽浄土に生まれ変わることを願う信仰。

(3)鎌倉時代に新しい仏教が民衆の間に広く伝わったのはなぜか。簡単に答えよ。
分かりやすく、実行しやすい教えであったため。

(4)鎌倉の新しい仏教のうち、禅宗は武士の間に広まり、鎌倉幕府や室町幕府の保護を受けた。その理由を、「座禅」、「武士」の語を用いて、簡潔に答えよ。
座禅によって自分の力でさとりを開くという教えが、武士の気風に合っていたから。

(5)応仁の乱後、山城では国一揆が、加賀では一向一揆が起きた。この結果、これらの地域の政治はどうなったか。「農民や武士」、「守護大名」の語を用いて、簡潔に答えよ。
農民や武士が、守護大名にかわって、自治を行うようになった。

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