中学2年理科。電流と磁界で登場する電磁誘導について学習します。
- レベル★★★☆
- 重要度★★★★
- ポイント:磁石の動きをさまたげる向きに誘導電流が流れる!
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授業用まとめプリント「電磁誘導」
電磁誘導
コイルに磁石を近づけたり遠ざけたりすると、コイルに電流が流れる現象が起こります。これを電磁誘導といいます。もう少し詳しく電磁誘導を説明すると、コイルのまわりの磁界が変化すると、コイルに電圧が生じ、誘導電流が流れる現象が電磁誘導です。
導線をぐるぐる巻いたコイルと磁石があれば、電磁誘導を起こして電流を取り出せるので、これを利用して、発電機などが発明されました。実験などで使う手回し発電機なども、電磁誘導を利用したのもになるのです。
誘導電流の流れる向き
電磁誘導では、誘導電流の流れる向きを問う問題が出題されます。磁石の何極をどう動かせば、どの向きに誘導電流が流れるのかを理解しておきましょう。
ほとんどの問題では、最初にヒントが与えられます。例えば、
「棒磁石のN極をコイルの上側に近づけると、検流計の針が右に振れた」
のように、問題文中に示されます。このヒントが出された場合は、誘導電流が流れる向きを考えることは簡単です。動作や磁極が逆になれば、誘導電流の流れる向きも逆になるからです。
N極・近づける→右に振れる S極・近づける→左に振れる
N極・遠ざける→左に振れる S極・遠ざける→右に振れる
といった感じで、簡単に問題が解けてしまいます。ちなみにコイルの下側になると、上記の針の振れが全て逆になります。
レンツの法則
問題文中にヒントがない場合は、誘導電流の向きをレンツの法則を使って調べる必要があります。レンツの法則とは、誘導電流が流れる向きを表した法則になります。簡単にこの法則を説明すると、
「磁石の動きをさまたげる向きに、コイルに誘導電流が流れる」
ということになります。
例えば、N極がコイルの上側に近づいてくる場合、コイルの上側がN極となるように誘導電流が流れます。そうすれば、N極とN極で棒磁石の接近をさまたげることになります。
反対に、N極をコイルの上側から遠ざける場合は、コイルの上側がS極になるように誘導電流が流れます。そうすれば、N極とS極で引き合い、磁石が遠ざかる動きをさまたげることになります。
誘導電流の強さ
電磁誘導で流れる誘導電流の大きさは、次の3つの方法で大きくすることができます。
- 磁石を素早く動かす
- 磁石を磁力の強いものに変える
- コイルの巻き数を増やす
「実験で使った道具は変えずに、誘導電流を大きくする方法を答えよ」といわれた場合は、磁石もコイルもいじることができないので、「磁石を素早く動かす」が答えになります。
電磁誘導の問題は、このあと、直流電流と交流電流の問題につながります。これは次回説明します。
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