中学3年理科。生物の成長で登場する細胞分裂について学習します。
- レベル★★☆☆
- 重要度★★★☆
- ポイント:染色体の数が変化しない細胞分裂
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授業用まとめプリント「細胞分裂」
細胞分裂
生物はすべて細胞からできています。この細胞が分裂し増えることを細胞分裂といいます。細胞分裂を行うことで生物は大きく成長したり、なかまをふやしたりすることができます。
細胞分裂と一言でいっても、実は細胞分裂には普通の細胞分裂と特別な細胞分裂の2つがあります。
- 普通の細胞分裂→体細胞分裂
- 特別な細胞分裂→減数分裂
まずは、普通の細胞分裂である「体細胞分裂」ですが、これはその名の通り、からだをつくる細胞である体細胞が、新たな体細胞をつくるための分裂です。言い換えると成長するための分裂でもあります。
体細胞分裂の特徴は、細胞分裂前と細胞分裂後で、核の中に収められているひも状の染色体の数が変わらないということです。生物の種類によって染色体の数が決まっているわけですから、染色体の数が変化すると異なる生物になっていします。
次に、特別な細胞分裂である「減数分裂」を紹介します。減数分裂は、体細胞から、なかまをふやすときだけにつくられる特別な細胞「生殖細胞」をつくるときに行われる細胞分裂です。その名の通り、染色体の数が減少します。こちらは次回説明します。
体細胞分裂
体細胞分裂では、次のように細胞分裂が進みます。
ポイントは、染色体の数が変化しないことです。では、細胞が分裂するのに、染色体の数が変化しないのかというと、細胞分裂直前に、染色体が複製されているからです。複製とは、簡単にいうとコピーをすることです。
ヒトの場合、細胞の核の中に含まれる染色体の数は46本です。これが細胞分裂直前に46本の2倍の96本に複製されます。そして、これが細胞分裂で2つの分けられるのですから、細胞分裂後の細胞の染色体は46本に戻るわけです。
タマネギの根の細胞分裂観察実験
タマネギの根を使って、細胞分裂のようすを観察する実験があります。使うのは、タマネギの根の先端を使用します。先端付近を観察しないと細胞分裂を見ることはできません。理由は、先端付近に成長点という、細胞分裂が盛んな場所があるからです。
細胞分裂の観察は次の手順で行います。理由と一緒に手順を覚えましょう。
- 根の先端付近を切りとる。
先端付近を使う理由→細胞分裂が盛んだから。 - あたためたうすい塩酸に入れる。
塩酸に入れる理由→細胞分裂を止め、細胞一つ一つを離しやすくするため。 - 酢酸カーミン液を数滴落とす。
酢酸カーミン液を使う理由→核や染色体を赤色に染め観察しやすくするため。 - ろ紙をかぶせ押しつぶす。
押しつぶす理由→細胞の重なりをなくし、観察しやすくするため。
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