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秋田の二宮尊徳「石川理紀之助」現代人に響く言葉

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政治、経済、文化などの分野で日本には世界に誇れる人物が沢山いますが、農業の分野でも後世に伝えていきたい素晴らしい人物が沢山います。今日は現代人に響く言葉を数多く残した石川理紀之助をご紹介します。

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秋田の二宮尊徳「石川理紀之助」

みなさんは石川理紀之助(いしかわりきのすけ)という人物をご存知でしょうか。日本の歴史に詳しいと自負している筆者にとっても初めて聞く人物名で、おそらく秋田県民や農業に精通されている方以外は知らない方がほとんどではないでしょうか。

石川理紀之助先生は、秋田の二宮尊徳と呼ばれている人物で、明治時代から大正時代にかけて、極貧生活にあえいでいた農村の救済に人生をささげた人物になります。その功績や実践力などから、秋田の二宮尊徳、あるいは農聖と敬称されています。

「俺は農民だ。農民が農民を助けないで誰が助けると言うのだ」という彼が残した言葉からもわかるように、実践躬行、率先垂範であり人間の温かみを感じる人物になります。

寝ていて人を起こすことなかれ

「寝ていて人を起こすことなかれ」理紀之助先生が残した言葉の中でも特に有名な言葉になります。意味は「自分は動かないで他人にやらせてはいけない。自分が先頭に立って手本を示し人を動かすこと」になります。実践躬行的な性格を表す言葉でもあり、自分が何とかしなければという固い決意も伝わってくる言葉です。

明治15年、米の値段が急落し、さらに更に追い打ちをかけるように冷害が東北地方の農村を襲いました。どの農家も一気に借金生活に陥り、あちこちで盗人が出没するようになり農村全体が極貧生活にあえいでいました。

理紀之助先生は、この極貧の農村を立て直すことに人生をささげます。質の良い肥料を作り、田んぼからの収穫量を倍にする施策を打ち出します。米の収穫量を増やし、余った分で借金を返済させ財政の立て直しを図ります。同時に無駄使いをやめ、暮らしに必要なものを共同で買うようにし、仲間外れが出ないよう、助け合い、励まし合いながら極貧の農村を立て直すというものでした。

収穫量を増やし節約する。言葉では簡単ですが実行するとなるとどんなに大変なことでしょうか。自身も毎朝3時に起床し、掛け板を打って村人を起こし農業に専念させます。5年間で村の借金を完済し農村の立て直しに成功します。彼はこの時、村人と一緒に苦しみながら働きました。このとき残された言葉が「寝ていて人を起こすことなかれ」です。

国の借金が膨らむ一方の日本。消費税の増税問題や社会保障費の増加など、これから先の世代が大きく背負わされている財政問題。まさに今政治家、いやわれわれ国民一人ひとりがこの言葉の意味をかみしめ行動していくことが大事なのではないでしょうか。

世にまだ、生まれぬ人の耳にまで 響き届けよ、掛け板の音

井戸を掘るなら、水が湧くまで掘れ

理紀之助先生の言葉が再び脚光を浴びるようになったのは、2008年の福田康夫元首相の施政方針演説に「井戸を掘るなら、水が湧くまで掘れ」という言葉が出たことでした。「どんな困難があろうとも、あきらめずに全力で結果を出す」と強い決意が込められたこの言葉は、理紀之助先生の人間性や使命感を表す言葉になります。時の首相福田氏もまさにこの気持ちだったのでしょう。

「日本の所得が低いレベルで推移している状況で『自分でどうにかしろ』と突き放しているだけではないか」などの批判も相次ぎましたが、まさに自分で何とかしなくてはならない時代です。国に頼って文句ばかりを言い、自らは何も行動しない人を見ると虫唾が走ります。

社会で成功している人々を見ていると、まさに「井戸を掘るなら、水が湧くまで掘れ」です。みんなが見ていないところで地道なことを毎日欠かすことなく継続されています。

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信頼とは

最後に、理紀之助先生が残した言葉で一番心に響いたものを紹介します。信頼に関す言葉で、まさに人と人の心のせめぎあいの中で戦ってきた先生の実体験を通しての言葉であると思います。

何よりも得がたいものは信頼だ。信頼はつつみかくさず教え合うことから生まれる。進歩とは、厚い信頼でできた巣の中ですくすく育つのだ。

本当の信頼を得ようと思うのであれば、包み隠さず心のわだかまりなどを話すべきであると感じます。言いたいことをしっかりと相手に伝え、ぶつかり合い、それでも一つの目標に向かって前進していく。答えのないこの時代、心の中をさらけ出し、今まさに本気のぶつかり合いが大切な時代なのではないでしょうか。

農業
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