中学2年理科。今日は質量保存の法則について学習します。
- レベル★★☆☆
- 重要度★★★☆
- ポイント:原子の種類と数
質量保存の法則
質量保存の法則とは、化学変化の前後で、物質全体の質量が変化しないという法則です。化学変化前と化学変化後で質量が変わりませんというだけのことです。これは、みなさん簡単に覚えることができますが、その理由が大切です。
質量が変化しない理由
なぜ質量が変化しないのかというと、
「化学変化の前後で、原子の種類と数が変化しないから」
です。原子の種類と数が変わらないのですから、全体の質量も変わるはずがありませんよね。しかし、次のような変化があるので、物質は全く別の物質に変わってしまいます。
「化学変化の前後で、原子の組み合わせ(結びつき方)が変わる」
原子が集まって分子ができました。その原子の結びつき方が変わるので、別の分子ができ、まったく別の性質をもった物質になるのです。
質量保存の法則を説明する実験はたくさんありますので、出てきた化学変化で、どのような物質ができるのかまで覚えていきましょう。できるなら、複雑ですが、化学反応式まで書けるようにしておきましょう。
質量保存の法則
化学変化の前後で物質全体の質量が変化しない理由を下のようにまとめた。文中の( )に適する語を入れよ。
化学変化の前後で物質全体の質量が変化しない理由を下のようにまとめた。文中の( )に適する語を入れよ。
解答①原子 ②種類 ③数
沈殿が生じる化学変化
質量保存の法則で登場する、沈殿が生じる化学変化です。化学反応式まで書けると完璧です。
- 硫酸+水酸化バリウム水溶液→硫酸バリウム+水
H2SO4+Ba(OH)2→BaSO4+2H2O - 炭酸ナトリウム水溶液+塩化カルシウム水溶液→炭酸カルシウム+塩化ナトリウム
Na₂CO₃+CaCl₂→CaCO₃+2NaCl
硫酸バリウムや炭酸カルシウムは水に溶けにくい物質ですので、白いにごりとなってやがて沈殿します。空気中の気体が反応したり、気体が発生しているわけではないでの、物質全体の質量は変化しません。
気体が発生する化学変化
質量保存の法則で登場する、気体が発生する化学変化です。化学反応式まで書けると完璧です。
- 塩酸+炭酸水素ナトリウム→塩化ナトリウム+二酸化炭素+水
HCl+NaHCO3→NaCl+CO2+H2O - 塩酸+亜鉛→塩化亜鉛+水素
2HCl+Zn→ZnCl₂+H₂
発生した二酸化炭素や水素の分だけ、物質の質量は減少しますが、発生して空気中に逃げたい気体まで含めた全体の質量は変化しません。
質量保存の法則と実験
密閉した容器内で、うすい塩酸と炭酸水素ナトリウムを混ぜる実験を行った。混ぜ合わせる前の物質全体の質量をA、混ぜ合わせた後の質量をB、混ぜ合わせたあと、容器のふたを開けたしばらくたった時の質量をCとすると、A、B、Cにはどのような関係があるか。式で表せ。
密閉した容器内で、うすい塩酸と炭酸水素ナトリウムを混ぜる実験を行った。混ぜ合わせる前の物質全体の質量をA、混ぜ合わせた後の質量をB、混ぜ合わせたあと、容器のふたを開けたしばらくたった時の質量をCとすると、A、B、Cにはどのような関係があるか。式で表せ。
解答A=B>C
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