中学1年理科。植物分野の花のつくりについて学習します。
- レベル★☆☆☆
- 重要度★★★★
- ポイント:受粉後の変化、被子植物と裸子植物の違い
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授業用まとめプリント「花のつくり」
種子植物の花
花とは、種子をつくる植物の器官です。花が咲いたあとには必ず種子ができます。花を咲かせ種子をつくる植物を種子植物といいます。まずは、種子植物の花のつくりをしっかりと覚えてください。種子植物には、将来種子になる胚珠の状況によって、被子植物と裸子植物に分類されます。
被子植物の花
被子植物は、胚珠が子房に包まれている植物です。次の花の名称とはたらきを覚えましょう。
花の中心から外側に向かって
- めしべ(先端が柱頭、根元が子房、子房の中に胚珠)
- おしべ(先端がやく)
- 花弁
- がく
それぞれのつくりのはたらき
- 柱頭…花粉がつくところ(花粉がつくことを受粉という)
- 胚珠…受粉後に種子になるところ
- 子房…胚珠をつつみ乾燥から守る
- やく…花粉をつくるところ
被子植物の「被」という漢字は、部首の書き間違えが多いので気を付けてください。受粉後の変化が重要です。子房が果実、胚珠が種子になることを確実に覚えておきましょう。
裸子植物の花
裸子植物は、子房がなく胚珠がむき出しになっている植物です。被子植物の花と何が違うのかを意識しながら、各部の名称を覚えていきましょう。
マツの枝の先端には雌花(めばな)、枝の付け根の方に雄花(おばな)があります。それぞれ、りん片とよばれるウロコのようなつくりがあり、雌花のりん片には胚珠が、雄花のりん片には花粉のうがついています。胚珠は受粉後に種子になり、花粉のうでは花粉がつくられます。
裸子植物の特徴は、受粉後に種子になる胚珠がむき出しになっているところです。また、被子植物の「やく」に相当するつくりが「花粉のう」であることも覚えておきましょう。
裸子植物は語呂合わせで覚える
被子植物は、芽生えのようすでさらに単子葉類と双子葉類に分類され、双子葉類は花弁の様子でさらに合弁花と離弁花に分類されます。裸子植物の分類はここまでなので、具体的な植物たちを覚えるようにしましょう。
テストや入試に出る裸子植物は少ないので、次の植物を覚えておきましょう。
- ヒノキ
- イチョウ
- ソテツ
- スギ
- マツ
覚え方は「裸になってヒノキ風呂に急ぎます」です。
- 裸(裸子植物)
になって - ヒノキ(ヒノキ)
風呂に - い(イチョウ)
- そ(ソテツ)
- ぎ(スギ)
- ます(マツ)
覚えたかどうかを下の問題で確認しましょう。
「花のつくりとはたらき」練習問題
【問題】次の1~8の各問いに答えよ。
- 花が咲き種子でふえる植物を何というか。
- 被子植物とはどのような植物か。簡潔に説明せよ。
- 裸子植物とはどのような植物か。簡潔に説明せよ。
- 被子植物の花のつくりで、めしべの先端とおしべの先端をそれぞれ何というか。
- マツのつくりで、枝の先端付近にあるのは雌花と雄花のどちらか。
- 胚珠は雌花と雄花のどちらのりん片についているか。
- まつかさは、もともと雌花と雄花のどちらだったか。
- 受粉後、胚珠は何になるか。
【解答】
- 種子植物
種子によってなかまをふやす植物を種子植物といい、花を咲かせる植物です。 - 胚珠が子房に包まれている植物
被子植物は、受粉後に種子になる胚珠が子房に包まれています。 - 子房がなく胚珠がむき出しの植物
裸子植物は、子房がないので果実ができません。 - めしべの先端:柱頭 おしべの先端:やく
柱頭は花粉がつくところ、やくは花粉をつくるところ。 - 雌花
マツの枝の先端に雌花の集まり、枝の付け根あたりに雄花の集まりがあります。 - 雌花
マツの雌花のりん片には胚珠が、雄花のりん片には花粉のうがついています。 - 雌花
まつかさは、1年前や2年前に受粉した雌花になります。 - 種子
受粉後、胚珠は種子、子房は果実になります。
花のつくりの定期テスト予想問題
下の図は、種子をつくってふえる植物の花のつくりを模式的に表したものである。これについて、次の各問いに答えよ。
(1)種子をつくってふえる植物をまとめて何植物というか。
(2)上図のアブラナの花のつくりア~オの名前を答えよ。
(3)アブラナの花で、受粉が行われるとイとオの部分は、それぞれ何になるか。
(4)イがオの中にある植物のなかまを何というか。また、その植物のなかまに分類される植物を、次のア~オの中からすべて選び、記号で答えよ。
ア エンドウ イ アサガオ ウ イチョウ エ ヒノキ オ イヌワラビ
(5)上図のマツの花のつくりで、AとBのうち雌花になるのはどちらか。記号で一つ選び答えよ。
(6)マツの花のりん片には、aとbのつくりがある。aとbをそれぞれ何というか。名称を答えよ。
(7)マツの花粉は何によって運ばれるか。
(8)マツは花のつくりから裸子植物に分類される。裸子植物とはどのような植物か。簡潔に説明せよ。
(9)マツのように、裸子植物に分類される植物として適するものを、次のア~オの中からすべて選び、記号で答えよ。
ア スギ イ ススキ ウ イチョウ エ ソテツ オ アサガオ
花のつくりの定期テスト予想問題の解答・解説
(1)種子植物
花が咲き、種子をつくってなかまをふやす植物を「種子植物」といいます。種子植物には、将来種子になる胚珠があります。
(2)ア:柱頭 イ:胚珠 ウ:やく エ:がく オ:子房
花のつくりは、外側から「がく」「花弁」「おしべ」「めしべ」となっており、おしべの先端には、花粉がつくられる「やく」があり、めしべの先端は花粉がつく「柱頭」が、根元には「子房」があり、子房の中には将来種子になる「胚珠」が入っています。
(3)イ:種子 オ:果実
おしべの先端のやくでつくられた花粉が、めしべの先端にある柱頭につく(受粉)と、子房が果実、胚珠が種子に変化します。
(4)被子植物、ア・イ
将来種子になる胚珠が子房に包まれている植物を「被子植物」といいます。被子植物にはエンドウやアサガオ、ヒマワリ、イネなど多くの種類があります。イチョウとヒノキは裸子植物、イヌワラビはシダ植物で、被子植物のグループには入りません。
(5)A
マツのつくりで、上になるのが雌花の集まりで、下の方に密集してなるのが雄花です。
(6)a:胚珠 b:花粉のう
雌花のりん片についているのが、将来種子になる胚珠です。一方の雄花のりん片についているのが、花粉が詰まった花粉のうです。
(7)風
マツの花粉には空気袋がついており、風で花粉が胚珠まで運ばれ受粉します。このような植物は風媒花とも呼ばれます。
(8)子房がなく胚珠がむき出しになっている植物。
マツのような植物を裸子植物といいます。裸子植物は、将来種子になる胚珠がむき出しになっています。つまり子房がありません。子房がないので果実もできないことも覚えておきましょう。
(9)ア、イ、ウ、エ
裸子植物には、ヒノキ・イチョウ・ソテツ・スギ・マツがあります。「裸になってヒノキ風呂にいそぎます」で覚えましょう。
花のつくりの最終確認問題
(種子植物の説明)
種子植物とはどのような植物か。「花」「種子」という語を使って説明せよ。
(受粉後の変化)
アブラナの花のつくりで、次の①~③の各問いに答えよ。
①めしべの根元のふくらんだ部分を何というか。
②①の中にある将来種子になる部分を何というか。
③アブラナの花のように、将来種子になる部分が包まれている植物を何というか。
(裸子植物)
マツの花のつくりについて、次の①~③の問いに答えよ。
①マツの花のように胚珠がむき出しになっている植物を何というか。
②マツの花で、胚珠があるのは雌花と雄花のどちらか。
③マツの花で、花粉はどのように運ばれるか。
花のつくりの最終確認問題の解答
(種子植物の説明)花が咲き、種子でふえる植物。
(受粉後の変化)①子房 ②胚珠 ③被子植物
(裸子植物)①裸子植物 ②雌花 ③風によって運ばれる。
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